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6.もうひとつのジョイランド 美瑛町Sタイガーパーク


猛獣100頭 美瑛で「ガオーッ」突然の搬入住民仰天 未完成のタイガーパーク トラ騒動のAさん(昭和55年6月)

昭和54年4月に野生動物公園(ジョイランドT前)開園。
昭和54年8月に千葉県神野寺で2頭のトラが逃げ出し、1頭が射殺されるという事件がありました。
保護されたトラの引き取り先には動物商A氏が関わっており、「ジョイランドに運ぶ」「いや美瑛に開設予定のSタイガーパークだ」と揉め、苫小牧市・美瑛町から受け入れを拒否されるという経緯がありました。
(詳しくはジョイランドレポート参照 結局トラは名古屋方面に引き取られました)
その1年後、昭和55年8月にA氏が社長となり、美瑛町Sタイガーパークが開園しました。

しかし、開園前にもひと騒動あったようで…。


タイガーパークに搬入されたライオンたち。移動用のオリなので窮屈そう シベリアタイガーなどを集めてこの7月にオープン予定の上川郡美瑛町の北海道Sタイガーパーク建設現場に3日夕、第一陣としてトラやライオンなど猛獣約100頭が運び込まれた。
神野寺のトラ騒動で話題をまいた動物商のAさんが町や関係住民に十分連絡しないまま運び込んだもので、事情を知らされていなかった付近の住民はびっくり。オリが未完成なため、しばらくは輸送用の簡単なオリで飼育すると聞いて付近の住民は、「逃げ出す心配はないのか」と不安を訴える声もあがっている。

このタイガーパークは、(中略)シベリアタイガーなどを放し飼いにし、繁殖させて保護をはかると同時に一般にも公開するもので、7月1日オープンの予定。この日、運び込まれたのは、シベリアタイガー7頭のほか、ライオン、クマ、オオカミ、サルなど20種類約100頭の動物。いずれも1〜2メートル余りの移動用のオリにスシ詰めにされ、上からビニールをかぶせるなど隠してはいるのもの、時折、ライオンがどう猛なうなり声を上げるなどただならぬ雰囲気。Aさんによると、これらの動物は仙台と函館から連れてきたといい、Aさん自身が2日後に仙台市のレジャーランドをトラック4台で出発、途中、函館に寄って3日夕、美瑛町入り。そのまま同パーク建設予定地に運び込まれたという。
Aさんは「現地に任せた開園のための工事が思うようにはかどらず、現場を自分で指揮するために来た。動物はほうっておけないので一緒に連れてきたが、町には4日にも連絡するつもりだった」という。
しかし、地元の町や周辺住民は事前連絡なしのこうした行動に不安の表情。
(中略)この突然の猛獣搬入について、町長は「先月末、Aさんから、5月30日ごろ搬入したい、との連絡があったが、その間本州に出張していて今日帰ったばかりなので、現地の様子はわからない」と話しているが、助役はトラが搬入されたのは町民から連絡があって初めてわかった。
(搬入する正確な期日は)きちんとした連絡がほしかった」と当惑しながらも、開園1ヶ月も前に搬入されたことと安全面については、「さくが出来てから放し飼いをするのだろうし、さくの高さを国際基準より高くさせるから安全面で問題ないと思う。開園時期はきいていなかったが、急いでいる様子だ」と話している。

ジョイランドT前開園前も、施設が完成する前に搬入し、周辺住民と市町村とトラブルを起こしています。
神野寺のトラの時も同じですし、同じ問題を何度も繰り返すのは反省の色がないとしか言えません。



騒動はありましたが、Sタイガーパーク開園です。

神野寺のトラいませんが 野生の迫力たっぷり 美瑛タイガーパーク公開(昭和55年8月)

トラやヒョウなどを目玉にオープンしたタイガーパーク 国際保護獣のシベリアトラを中心に展示した「北海道Sタイガーパーク」が15日、上川管内美瑛町にオープンした。
昨年夏、千葉県鹿野山神野寺のトラ騒動で有名になった動物商のAさん(42)が、シベリアトラなどの繁殖を目的に造成したもの。

同パークは、Aさんが国際保護獣のシベリアトラなどの繁殖を目的に動物の飼育園を作ることを昨春計画、(中略)この間、神野寺のトラ逃走事件で、神野寺が手放した猛獣を引き取ったAさんが、同パーク建設予定地に運び込むのではないかと話題を呼んだり、今春、町に事前の通告なしで百頭余の猛獣類を突然、完成前の建設現場に持ち込んで付近の住民をびっくりさせるなど、ハプニング続き。しかし、雪解けと同時に始めていた第一期建設工事がやっと終わり、開園にこぎつけた。

シラカバとカラマツ林に囲まれた園内には、目玉のトラがシベリアトラ6頭を含め11頭、ライオン、ピューマ、黒ヒョウなど30頭余を展示しているほか、サル、ポニー、シカ、キツネ、クジャクなどが多数飼育されている。
これらの動物たちを比較的自然に近い状態で飼育して見せている。
トラの中には「神野寺のは入っていません」とAさんは話している。




これは開園前の広告ですね。
「近日公開!」「白い大鹿もお目見え」「世界各地のニワトリ(35種)」と書いてあります。
白い大鹿か…。A氏は全身真っ白なシロザルをデパートの展示の目玉にしたり、タイゴン(トラの雄とライオンの雌を交雑させたもの)を飼育していたそうで、少し変わった動物がお好きなのでしょうか。

さて、ジョイランドレポートは、舞台を苫小牧市ジョイランドから、
美瑛町Sパークへと移し、続きます。

この先、ジョイランドをしのぐ大事件が…。


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