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昭和54年 野生動物公園OPEN


「オリ完成前に開園〜「無神経」批判の声」(昭和54年4月)

初めからこんな感じです。
(記事抜粋)「T前山ろくを動物公園に」というジャンボな構想、「もしT前山が噴火して動物たちが逃げ出したら…」という地元の不安、そしてお目見えした猛獣は昨年秋、宮城県で動物公園計画が流産、猛獣がオリのまま一時、山中に放置されて大騒ぎになった"動物騒動"の主役たち…と開園前からいろいろな話題を呼んだ「北海道野生動物公園」が28日、苫小牧市N岡のレジャー施設「ジョイランドT前」で開園し、市内外からざっと3000人以上が見物に詰めかけた。ところが、オープンといっても園内では猛獣の入ったオリの周囲のサクや防護の金網取り付けなど安全対策工事の真っ最中で、入園者の間から厳しい批判の声も聞かれた。 オリの金網取り付け作業を横目に動物見物をする入園者
ホントに作ってる最中だよ…。

宮城県で猛獣が放置されていたですと!? 裏を取りたくて探したところ、ありました!


「猛獣が200頭 山中に置き去り〜計画倒れ動物公園 住民おののく」(昭和53年9月)

仙台市の水がめ、O倉ダムに近い宮城県・宮城町O倉の山中にライオン、トラ、ヒョウ、クマなどの猛獣をはじめ200頭近い動物がオリに入れられたまま置き去りにされ、地元では咆哮が聞こえるたびに「ライオンが逃げたらしい」とデマが飛び交うなど、付近の住民は戦々恐々だ。この騒ぎはことし6月ごろ、同町営牧場隣接地に宮城町農協と町の出資でレストハウスなどを作り、観光牧場化する計画が持ち上がったのが発端。この中で動物公園設立の構想が出され、同農協理事らで構成する設立準備委員会が同県M町の鳥獣業Aさんと話を進めていた。ところが今月7月、Aさんがライオン20頭ををはじめ、トラ、クマ、サル、ワニなどの動物を運びこんだため農協側はビックリ仰天。「小動物公園のはず」という農協と「立派な動物園にする話だった」というAさん。話し合いの不十分が騒ぎの原因だが、組合員の反対が強く、動物園計画は結局中止となり、動物だけが山の中へ置き去りになってしまった。粗末なオリに入っているだけで危険もあるため、農協側は監視員を置き、やじ馬の立ち入りを禁止することにしているが、なにしろ数も多いので移動するにも場所がなく、問題解決は21日の理事会待ち。20日から動物愛護週間というのに、動物こそいい迷惑。エサはAさんが与えているが、6畳ほどのオリに十数頭も詰め込まれたライオンなどはグッタリ。馬の鳴き声に驚いたハンターが猟銃を持って飛び出すなど人間の方も大騒ぎ。 落ち着き先も決まらず、百獣の王も狭いオリの中でグッタリ

ここで出てきた動物商のA氏は他の事件にも関わっています。正直、この事件は最後の方に発見したのですが、A氏の名前を見て「またか!」と思いました。A氏は当時の朝日新聞の記事で「北海道あたりに北方動物園造りだ」という夢を語っています。これがジョイランドや他の施設に繋がったのだなあ…。

農協側とA氏の話し合いはこじれ、決着が着いたのは12月。その時点では動物たちは九州に移る事に落ち着いたようですが、結局は最初の記事のように4月にジョイランドに来ています。もう一段階揉め事があったのでしょう。冬の間、猛獣たちは宮城県の養鶏所跡で過ごしたと伝える記事もありました。


 ともかく。北海道野生動物公園オープンです。
 この頃はライオンなどの猛獣100頭、鳥類、ペット類が800頭(羽)の規模。

4月28日 北海道野生動物公園オープン

(あれ?この写真他でも見たよ。 53年4月の丸井の広告

6月には白熊牧場もできました。

シロクマ牧場オープン




「ウォー!未来は繁殖基地〜『シロクマ牧場』きょうオープン」

(前略)収容頭数30頭と世界一の規模が自慢で、しかも将来は世界各国にシロクマを供給する繁殖センターを目指しており、登別の「クマ牧場」、札幌・円山動物園が来年の開園30周年を記念して造る国内初の「総合クマ舎」と並んで新名所となりそう。(中略)(シロクマの)値段は1頭平均280万円もし、全部で約8000万円。建設費は1億5000万円かかったという。東京・上野動物園長を務めたH世界野生動物保護基金協会副理事長が、多頭飼育では世界一と"太鼓判"を押し「シロクマ・ブリーディング・ファーム」(繁殖センターの意味)と名づけてくれたほどの施設で、今後シロクマ同士の"ボス争い"などで話題を呼びそう。

“デビュー”を待つシロクマ牧場の主役たち 現在のクマ山
廃業後のクマ山。このあたり?

この写真はあのクマ山かな。ここで30頭(ピーク時には40頭)の白熊が飼育されていたのか…。セマイヨ…。太鼓判を押してくれた先生は実際に見に来たのだろうか。しかし、この新聞記事、「280万円も」と主観が入っていておかしいな。