サイトトップへ ジョイランドトップへ


ずさん管理、トラ12頭凍死


ライオン凍死事件(昭和56年4月) 「ライオン12頭寒さで死ぬ〜屋外オリ、暖房なし 初の越冬 獣医も欠員のまま」

日本最北、道内唯一の"ライオン・サファリ"がある苫小牧市の「北海道野生動物公園」で、越冬中のライオン31頭のうち大量12頭が1月から3月にかけ、寒さなどのために死亡したことが、8日、明らかになった。
同公園を経営する株式会社「D王」では死因を老衰としているが、越冬用のおりは2百平方メートル足らずと
狭いうえ暖房施設もなく、また施設管理をする獣医も欠員中など管理体制のずさんさは否めず、道でも近く本格的な調査に乗り出すことになった。
華々しくオープンした「ミニ・ライオン・サファリ」だったが―一昨年4月撮影

この「ミニ・ライオン・サファリ」は昨年のゴールデンウィーク直前の4月25日、オープンした。一周250メートルと小さい面積ながら、放し飼いのライオンパークの中をバスで見学する道内でも初めての施設。
昨年11月の閉園後は、サファリに隣接する面積200平方メートル足らずのおりの周囲を風よけのパネルで覆い、越冬体制に入った。ところが、
1月からおりの中のライオンが次々に倒れ始め、道と苫小牧市に入った報告によると、3月末までに全体の3分の1を超す12頭(約600万円相当)が死亡した。
Y社長は「死んだのは13,4歳の老齢化したライオンばかり。まあ、寒さのせいもあったろう。福島のライオンパークでは、雪の上を走り回っており、私としては今回の施設で十分だと思ったが…。25日の開園までライオンは補充したい」と語る。
しかし、飼育担当者の獣医は今年1月、退職し、その後は獣医不足の状況が続いていた。また風よけのパネルで囲ったとはいえ、ライオンが屋外で大量に越冬した実績は道内ではゼロ。
札幌・円山動物園のK飼育課長は「うちでは屋内で越冬させ、室温はプラス10度以下にならないように配慮している。もし、屋外で越冬するならば、体が小便などでぬれないよう、衛生面で十二分に気を配らなければだめです。ライオンはアフリカの動物。やはりマイナス10度にもなれば難しい」と指摘する。(後略)


解剖準備をする獣医たち。手前のビニールシートの下は死亡したライオン

これと並んで掲載された円山動物園の記事は…。

ボクらはヌクヌク―円山動物園のライオン越冬

関係者の神経を逆撫でしそうです。

野生動物公園のライオンのうち2頭は敷地内に埋められたが、残り10頭はビニールシートをかけて放置されていました。



来週、行政処分へ〜サルなどの凍死も判明

(前略)12頭のライオンは解剖の結果、死因はいずれも同じで、運動不足による過度の脂肪蓄積で内臓器官や体力が低下し、二次的に肺炎を併発したためだった。
ライオンのほかにも越冬中、カニクイザル、綿羊、シロクマ各1頭とヤギ2頭も死亡していることがわかった。
なかでもカニクイザルは3月24日、
暖房用の灯油が切れてしまい寒さで死亡しており、改めて同公園んの管理面でのズサンさが浮き彫りにされた。
(灯油が切れてサルが死亡。これと全く同じ事件を後年繰り返します。何とかできなかったものか…。 )

道からライオンの運動場を造るようにと改善指導を受けます。野生動物公園は、来年3月までに造ると回答。
(本当に造ったのだろうか?ただ、この後ライオンの死亡事件は聞かないので何らかの対策はされたのだと思います。)

これにてライオン凍死騒動は落着。今期の営業が開始されます。



お待たせしました、準備完了!(クリックで大きいサイズ表示)

「お待たせしました、準備完了!」と書かれた字の上に、非常に小さい文字でお詫び文が載っています。
「何かとご心配をおかけしましたが、この度管轄監査官庁の指導のもとに万全を期した施設でオープン致しましたのでご安心の上、一日たっぷりお遊びください。」

(余談ですが、この広告は面白い。水木一郎が歌のおにいさんだったのか。遊具にしっかりいもむしコースターが書かれています。)



「視線はライオンに〜北海道野生動物公園オープン」

ライオン12頭が越冬中に死亡してすっかり有名になった苫小牧市の北海道野生動物公園は、道の危険動物飼養規則条例(ペット条例)に基づく飼育申請許可も下りて、25日にオープンしたが、最初の日曜日となった26日はライオンをひと目見よう、という入場者が集中した。
昨年12月から今年3月までに、運動不足と寒さで死亡したライオンは12頭。残り21頭のうち子ライオンを除く15頭が「ミニ・ライオン・サファリ」の広場に放された。
(中略)行楽客の8割はサファリのバスに乗って、1周250メートルのサファリ内を
「これが生き残ったライオンね」と興味深げに見物していた。


前頁へ 次頁へ